にじゆら
注染手ぬぐい ひょうたん
ひょうたんをデザインしたこの柄は季節を問わずに使えそうですが、実はお正月にぴったりの縁起物の1枚です。末広がりのかたちをしたひょうたんは、古来より縁起の良い物とされ、除災招福のおまもりや魔除けとして用いられてきました。また、つるが伸びて鈴なりになる様子から、家運興隆・子孫繁栄、商売繁盛のシンボルともされます。
※注染(ちゅうせん)とは、明治後期から続く日本独自の染め方で、世界でも類を見ない独特の技術です。型紙の上からひと型ずつ防染糊を置き、じゃばらに折りたたんだ生地の上から染料を充分注ぎ込むと、裏表なく染め上がります。そのため、機械プリントでは出せない注染独特のにじみや柄の輪郭のゆがみなどの風合いが生まれます。また、注いで染めるという染め方なので、ぼかしや濃淡も表現できます。職人の熟練した技術を必要とするため、現在注染の技法で染めることのできる工場は数えるほどしか残っていません。これからも大切に守っていきたい、日本の技術です。